ばななの可塑性
上記は筆者の好きな例の彼奴(きゃつ)の、例の画像である。
今回、これを元にちょっとした思考実験を行いたい。
まず【オリジナルルート(以下O・R】の解説だが
見ての通り、これはりんごを見た彼奴が
ばなな と全く関係ないトンチンカンなことを言ってるとした場面である。
この適当に描いたような味のあるタッチの絵で
この作者がTHE頭の悪い人をわかりやすく表した、もはやお馴染みと言ってもいいイラストである。
さて、【O・R】に至るにはいくつかの前提条件が必要だ。
〈前提条件〉
①彼奴の頭が悪い
➁彼奴の観察対象物がりんご
➂彼奴が確実にりんごを見た
後に、ばなな と発している。
挙げればキリがないがシンプルにこんなところだろう。
これらの前提条件が満たされれば、件の風刺画が一応、成り立つということになる。
ここで"一応"と念押したのは後で触れる。
……かもしれない。
ともあれ
・前提条件が満たされない場合
・前提条件が違う場合
には彼奴を
"ただの頭の悪い人
と断じ、笑い者にすることは出来ないのではないか?"
これが今回の思考実験のメインテーマである。
さて、前提条件の中の①は一旦置いておいて
➁、➂が具体的にどういうことかというと
こちらの資料を見て欲しい。
➂彼奴が確実にりんごを見てばなな と発している
とあるが、
ここで注視して貰いたいのは、大きく2つある。
彼奴は
"a 確実に目の前のりんご捉えているか?"
と
"b ばななと確実に発しているか?"
という2点である。
aについてだが、もしも、赤矢印のように、彼奴の視点が明後日の方向を向いていたとしたら
➁にも係るが
➁対象物がりんご
という条件が満たされず【O・R】が成り立たない。
最も彼奴がどこを向いてるのかイマイチわからないが。
彼奴はこの瞳に何を見るのだろうか?
次にbについて
こちらの資料を見て欲しい。
画像のように"ばなな"と書かれた掛け軸があるだけかもしれない場合。
そもそも彼奴は「ばなな」と発していないのである。
ともすれば
「沈黙は金なり。」
を知っていた彼奴は沈黙を守ったのかもしれない。
最後に上記にも係ることだが①に触れたい。
①彼奴の頭が悪い。
単純そうに見えて1番考察のし甲斐があるものだと筆者は思っている。
"a彼奴の頭が実は悪くない場合"
"b彼奴の頭が良い場合"…etc…
そこでふたたびこれを見て欲しい。
……確かに
見た目は賢そうとはとても言えないかもしれないが、彼奴にも彼奴なりの考えがある。
……はずだと私はそう思いたい。
……そう
……思いたい。
以上が今回の思考実験の内容となる。
実際に目の前に居るわけではない我々では、
結局のところ彼奴の頭が良いのか悪いのかなんてものは判断できないのである。
誤情報が溢れるこの現代社会において
なにが正解でなにが不正解なのか
なにが善でなにが悪なのか
彼奴の頭は良いのか悪いのか
いま一度考えて、ぜひ様々な考察をしてみて欲しい。
そんなことを彼奴は我々に訴えかけている。
私はそんな気がしてならないのだ。